真性のマゾ体質でもない限り、嬢に塩対応されるのは誰だって嫌なものだ。
 
　エステで嬢を落とすことに楽しみを見出すアルピニストじみた一部の猛者以外は、エステ好きというものは皆うっすらエム寄りの性癖があることだろう。が、それはプレイにおいて焦らされたり完全受け身で己の命運を嬢に委ねるマナ板の上の鯉状態を悦ぶことであり、最低限のサービスすら与えてもらえなければ普段は穏やかで従順なエムであろうと怒りに震えるはず。
 
 
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　私だって塩対応は嫌いだ。が、それは時と場合、それと嬢による。
 
　これは声を潜めて言わなければならないが、私は好みの容姿の女性に嫌々ながらされるのが嫌いではない。むしろ、ちょっと好きだ。恥ずかしながら、美女の冷めたい視線を浴びながらの攻撃が嫌いではないという性癖の持ち主なのである。数少ない女性読者の為に先に謝っておきます。生まれてきてすみません。

 

※画像の参照元：マーキュリー(御徒町)様
 

　正直なところ、私は韓国式エステの事情に明るくはない。
 
　鶯谷辺りのホテルで日本語を一切話せぬ韓国美女とちょめちょめできる店を利用したことはあるが、店舗型の韓国式エステはほとんど利用した記憶がない。どうしても韓国エステには「パネマジ＆サバ読み」の印象が強く、これまでは敬遠してきた。韓国エステよりも慣れ親しんだ日中のエステを好んできた。
 
　しかし上野御徒町界隈のアジアンエステを一通り網羅してみようとの長期計画（上野ばかりいくと飽きるで他のエリアのエステにも通いたいうえに予算も少なしいこともあり時間がかかるだろう）から、超久しぶりに韓国式エステも利用してみようと思った次第である。
 
 
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　韓国式エステに熟嬢はつきものだ。HPでは20代と謳っていても、30代ならまだしも40代、50代も珍しくはないと聞く。
 
　ただ私も齢50を超えた今、嬢の年齢に対する感覚は若い頃とは違う。20代の頃に40代の嬢が出てきたら「ババアじゃねえか！サバ読みやがって！金返せ！」と内心で毒づきながらも小心ゆえに言い出せず事務的に抜き取られ泣き寝入りしてきたが、今なら「40でも年下だし、ま、いっか」とあっさり受け入れてしまう。これは良くない気がする。これでは人生つまらないじゃないか。
 
　いや、とっくにつまらないのだがエステや西村賢太の私小説があるから何とかのらりくらりと年を重ねることができていたのだが、いよいよ棺桶に片足を突っ込んでしまっているのだろうか（賢太も死んじゃったしな）。
 
　いつも通りだいぶ話は逸れたが、今回は若い嬢を指名したいと思う。
 
　肌のすべすべなアガシを追い求めたい。アガシの精気で潤いたい。万が一アガシが塩対応嬢だとしても、それはそれ。私には塩対応が嫌いではないという、ブス専と二強を張る特殊能力の持ち主なのだ。ブス専とは異なり、私の場合は好みの容姿の嬢に限るという条件付きなのだが……

　事前に軽く調べたところ、この店ではH譲とR嬢が比較的若いらしい。写真指名が無料ということもあり、私はH嬢（21歳表記）を指名してみた。パネマジの壁を越え、彼女が好みの容姿であることを祈る。
 
　コースはキャンペーン価格で60分9,000円、80分12,000円。
 
　ネットで調べてみても60分と80分コースの内容の違いが分からなかったので、私は60分を選択した。60分でも中国エステと比べるとなかなかの値段であるし、80分と最後のサービス内容は同じなのだろうと踏んだのだが、私の勘は外れた。
 
　結論から言うと、60分コースはコスパが悪いと思う。この店を利用するなら80分以上をお勧めする。
 
 
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　浴室でのアカスリ、部屋でベッドにうつ伏せになり蒸しタオルで身体を包まれての足踏みマッサ、最後にお楽しみのSPリンパタイム。
 
　という流れなのだが、事前情報ではSPリンパの前に嬢が一旦退室しバスタオル姿で戻ってくると聞いていたけれど、戻ってきたH嬢は同じワンピース姿のままなのである。
 
　まとめていた髪を下ろし部屋の照明はムーディーになり臨戦態勢に入った感があるものの、最前と同じワンピース姿のままなのだ。これはこれで谷間も拝めるし丈が短くH嬢の美脚を拝める為に悪いものではないのだが、「今日の夕飯はお寿司よ」と言われ喜んで帰宅したら助六のみだったぐらいには淋しい。
 
　手際よくオイルを垂らしたH嬢に衣装について訊ねると、「60分コースはこのままよー」とのこと。
 
　そうだったのか。知っていれば80分にしたのにな。60分でもそこまで安くはないからと80分以上のコースと最後のサービス内容は変わらないと勝手に思ったケチな私がいけないのだ。また心のどこかで「なかなか綺麗なアガシに塩対応されるのも悪くない。それならむしろ60分でいくか。安く済むし一石二鳥かも」なんぞと考えていたことが災いしたようだ。
 
　しかしH嬢、予想に反してと云うべきか、決して塩対応をするような嬢ではない（むろん彼女の心身のコンディションにより変わることもあるだろうが）。
 
 
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　Ｈ嬢は20代中盤辺りと思われる。小柄で小顔で細身の白く美しい肌のお嬢さんなのだが、さほど擦れた感じもない。HPの在籍写真はバリバリ加工されているが面影がなくもない。全くの別人というわけではなく、むしろ写真より本人のほうが良いと感じる御仁がいてもおかしくはないぐらいだ。
 
　若い嬢＝塩対応、熟嬢＝濃厚、地雷嬢＝熟れているのに塩対応、みたいなイメージを持って久しぶりの韓国エステに臨んだが、H嬢はややクールな印象はあるものの、接客もサービスも手抜きせずに対応してくださった。塩対応の彼女も見てみたかった気がしないでもないが、丁寧なサービスに文句を言うわけもない。
 
　最後のSPリンパも気持ちがよくあっという間に打ち取られると、60分コースなのに50過ぎなのに時間が余るという結果になり多少の時短覚悟でシャワーを終え着替えようとすると「まだ少し時間あるから、肩もんであげる」と嬉しいお言葉をかけてくれるのであった。
 

　次回は80分でお願いしたいと思う。もう一人の若手、R嬢にも入ってみたいし、他のお姉さん達も気になるところである。
 
　アカスリ室も施術ルームも綺麗で清潔感のあるのだけれども、この店舗には一つ欠点がある。
 
　それは、蒸しタオルマッサの際にタオルの上にかける大きなゴムマットみたいなものが、臭うこと。何とも言えぬ独特の悪臭があり、次第に慣れて気にならなくはなるのだが、このマットだけは減点要素である。

 
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