猛暑を憎みながら同時に冷夏も呪うと云う、ふざけた祈りが通じたのか罰が当たったのか、強烈な西日。9月某日。俺はなんとなく新小岩。

　錦糸町に両国、亀戸や小岩のエステ・マッサージ店に訪れたことは何度もあるけれども、そういえば同じ総武線沿線ながら新小岩のお店への訪問経験はないな、ふらっと下車して何処かにいってみようかしら、なんて考えた。
 
　新小岩にある目ぼしいアジアンエステに片っ端から電話をしてみる。結果、5件のうち3件が電話に出ない（営業時間内のはずだが）。
 
　残り2件が、嬢が少なくて約1時間後とのこと。商店街をぶらつきお店を散策したので汗をかき、一刻も早くシャワーを浴びたいこともあって保留。
 
　できれば洗体やアカスリを受けさっぱりしたいと云う望みは、速攻で訪問するためには断念したほうがいい雲行き。ここは詮索範囲を広げてタイ古式マッサージ店にも電話をしてみよう。

 
　愛想があるような、そうでもないような女性が電話に出る（後にママと判明）。これからすぐに入れるとのこと。シャワーを完備していることもしっかり確認してから予約する。どんなお店かまるで分からないが、これも何かの縁。俺は新小岩のタイ古式マッサージ店「ポートン」へ向かう。

　な、なんてイカシタ外観なんだ！
 
　写真ではちと分かり難いが、年季の入った建物の二階。この建物を一見したとき、建物同様に年季の入り過ぎたオババが現れるのではないかと云う不安と、外観が醸し出す雰囲気から、実は穴場みつけたんじゃね？との期待が交錯した。どちらかと云えば前者の方が大きいです。

　看板を見ると「ポートン」じゃなく、正式には「ポートーン」なのか。ま、エグザイルとエグザイルトライブぐらいにどっちでもいいや。

 
　階段を上り、タイ国王の御尊影などが飾られた玄関に足を踏み入れると、来客を伝えるインターホンが鳴る。廊下の突当りからTシャツに短パン生足姿の女性（ママ）が、「いらっしゃい、さっき電話した？」と声をかけ、俺を招き入れる。
 
　アットホーム、と云うよりホームそのものと呼んでも差支えない素朴な店内。受付のソファーに腰をかけ、冷たいお茶を貰う。
 
　ママのほかに、ママより断然若い30代ぐらいのぽっちゃりした嬢も、忙しく店内を歩き回っている。目が合うとタイスマイル。綺麗に揃った白い歯がこぼれる。お世辞にも美人とまでは言えないが、ふくよかで豊満な胸が気になる。さて・・・
 

「あのお嬢さんが、俺の担当になるのかしら？」
 
「予約入ってるから」
 
「ああ、そうか。じゃあ仕方ないね。てことは・・・」
 
「ふふふ。私よ、ごめんね～」
 

　ちと悲し。しかし、ママも昔は美人だったんだろうな、ていうか今でも熟女好きには悪くないんじゃないの、と思わせる雰囲気。
 
　とはいえ、ここはノーマルなタイ古式でもいいか・・・　などとコース選択に悩んでいると、オイルコースならシャワー浴びれるよ、とママ。オイル60分6300円か。リンパ付きのリラックスコースだと60分7200円・・・　ええい、ままよ。900円しか違わないんだったらリンパ付きにしよう。7200円也。

 
　施術スペースは４箇所程度。出入口がカーテンの半個室に案内され、服を脱ぎタオル生地のガウンを羽織る。貴重品ケースを携えシャワーへ。ひどく家庭的な浴室で汗を流す。部屋に戻り、薄いマットにうつ伏せになると施術開始。
 
　タオル越しから簡単に身体をほぐされた後、すぐにオイルを使用したマッサージに移る。太い指での圧のかかったオイルマッサージは、やはり熟練の技。
 
　ま、上手いことに関しては想定内、プレイングマネージャーが下手だったら大変困る訳で、国籍を問わずマッサージ店において「客が安心して身を委ねられる技術」と云うのは基本中の基本、野球はキャッチボールから、みたいな当たり前すぎることであるのだが、グローブの嵌め方やボールの握り方すら覚束ないまま、ヘッドスライディングから教えるようなお店も無きにしも非ずな今日この頃・・・
 
　なんてなことを脈略なくボーッと考えていると、ママの手は俺の太もも付け根深くまで伸びていた。

　普通のマッサージが終わってから最後に5～10分だけ鼠蹊部のリンパを流すタイプの施術ではなく、流れの中でその都度、鼠蹊部リンパ施術を取り入れる、それは俺好みのリンパ付きオイルマッサージ。
 

　背面を終えると、横になって、とママ。横を向いて足を交差させた状態で、臀部や鼠蹊部のリンパを念入りに流してくれる。おお！俺好みの施術が続く。腕やエルボーを使用した痛気持ちいいマッサージにより、硬直したお尻の筋肉が心地よくほぐされていく。当たりだ、大当たりだ。これで若い嬢がいたなら間違いなく通うのに。
 
　仰向けに。60分でも仰向け施術がある、と云うのもまた俺好み。で、またまた鼠蹊部のリンパを流される。
 
　またまたこれで若い嬢がいたなら間違いなく通うのに。爽やかに延長のお誘いがあったものの、時間の関係で丁重に断る。次回はもっと長いコースで入るよ。最後にタイ古式マッサージ定番のストレッチ。腰の骨がポキポキと鳴る。その音で自分の仕事の仕上げに満足したようで、ママは微笑んだ。
 
　お茶をいただいて退散。シャワーの時間は含まないのか、暇だったからか、時長気味であった。

 　
　＊ ＊ ＊
 

　充実のタイ古式マッサージ。施術内容に関しては申し分なく、料金もリーズナブルだし悪くない。設備に関してはチープだけれども掃除は行き届いていると思え、さほど気になることもない。東京下町の風情にマッチしているとも言えるし、ふとタイの片田舎にワープしたような趣も個人的には嫌いじゃないかも。ママの施術も素晴らしかったが、次回は店内で見かけた嬢を指名してみようか。
 

　それにしても、上手くて、もっと若くて可愛いタイ古式マッサージ嬢は何処かにいないものかしらん。やっぱり新宿・大久保・新橋辺りを開拓すべきか？ タイと云う国もタイ嬢も大好きなんだけれども、チャイエス以上にWEBサイトの写真が信用できないお店が、タイ古式マッサージ店には多いんだよなぁ・・・

※同店は閉店しました（リニューアル？）
 
～体験記117 ポートーン・タイ古式（新小岩）編≪完≫～
 
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※ この体験記は管理人の主観的なものであり、体験時の感想には個人差があります。また、同じ店舗でも担当スタッフや選択したコースにより内容が異なるケースもございます。
 
※ 店舗の星評価は現在中断しております。

• 場所/店名：ポートーン/タイ古式(新小岩) ※閉店
• 時間/料金：60分7,200円